
サトミちゃん、衆議院選挙のときに一緒にもらう『国民審査』の投票用紙ってあるじゃない?
あれって、よくわからないからいつも白紙で出しちゃうんだけど、本当はどうすればいいのかな?

くるパパ、それってすごくもったいないですよ!
国民審査は、私たちが直接『最高裁判所の裁判官』を評価できる、とても大切な権利なんです。
今日は、国民審査の仕組みや投票の仕方について、わかりやすく解説しますね!
衆議院議員総選挙の投票に行くと、必ずもう一枚渡される「最高裁判所裁判官国民審査」の投票用紙。
「よくわからないから何も書かずに投票箱に入れている」という方も多いのではないでしょうか?
実はこの国民審査、私たちが司法(裁判所)のトップを直接チェックできる、憲法で保障された非常に重要な制度なのです[1]。
この記事では、国民審査とは何か、いつ行われるのか、そして「×」をつける意味や罷免(ひめん)の条件について、図解を交えてわかりやすく解説します。
要約図解:国民審査の3つのポイント
まずは、国民審査の全体像を3つのポイントでつかみましょう。

国民審査のポイントは以下の3点です。
- 最高裁判所の裁判官を審査する制度
- 投票方法は「×」を書くか「何も書かない」かの2択
- 「×」が過半数を超えると罷免(クビ)になる
それでは、それぞれの詳細について詳しく見ていきましょう!
国民審査とは?制度の目的と対象者
国民審査とは、正式には「最高裁判所裁判官国民審査」と呼ばれます。
これは、既に任命されている最高裁判所の裁判官が、その職責にふさわしい人物かどうかを、私たち国民が直接審査する制度です[1]。
なぜ国民審査を行うのか?
日本国憲法第79条に定められているこの制度は、「国民主権」の観点から非常に重要な意味を持っています[1]。
裁判官は、法律に基づいて公正な裁判を行うため、強い身分保障が与えられています。しかし、最高裁判所は「憲法の番人」とも呼ばれ、国の法律や制度が憲法違反でないかを最終的に判断する絶大な権力を持っています。
そのため、「その権力を持つにふさわしい人物か」を、主権者である国民が直接チェックする機会として、国民審査が設けられているのです。
審査の対象となるのは誰?
審査の対象となるのは、「最高裁判所の裁判官」です[1]。
日本の裁判所には、地方裁判所や高等裁判所など様々な種類がありますが、国民審査の対象となるのはトップである最高裁判所の裁判官(長官1名、判事14名の計15名)のみです。

なるほど、一番偉い裁判官たちを、私たちが直接チェックできる仕組みなんだね!

その通りです!
だからこそ、一人ひとりの一票がとても重みを持っているんですよ。
国民審査はいつ行われる?
国民審査は、単独で行われるわけではありません。必ず「衆議院議員総選挙」の投票日と同じ日に行われます[1]。
審査のタイミング
裁判官が国民審査を受けるタイミングは、以下のルールで決まっています[1]。
- 最初の審査:最高裁判所裁判官に任命された後、初めて行われる衆議院議員総選挙の投票日
- 2回目以降の審査:最初の審査から10年を経過した後に初めて行われる衆議院議員総選挙の投票日(以降も10年ごとに繰り返し)
最高裁判所の裁判官の定年は70歳と定められているため、実際に2回目の審査を受ける裁判官はそれほど多くありません。
期日前投票や不在者投票はできる?
衆議院選挙と同様に、国民審査でも期日前投票や不在者投票が可能です[2]。
仕事や旅行などで投票日当日に投票所へ行けない場合は、原則として「総選挙の公示日の翌日から選挙期日の前日まで」の間、期日前投票を行うことができます[2]。
また、令和5年(2023年)からは制度が改正され、海外に住んでいる方(在外投票)や、船に乗っている方(洋上投票)も国民審査に投票できるようになりました[1]。
仕組み図解:国民審査の流れ
国民審査がどのような流れで行われるのか、図解で確認してみましょう。

投票所に行くと、まず衆議院議員の「小選挙区」と「比例代表」の投票を行います。その後、国民審査の投票用紙を受け取り、記載台で記入して投票箱に入れる、という流れになります。
投票用紙の書き方:「×」をつける意味とは?
国民審査の投票方法は、一般的な選挙とは大きく異なります。候補者の名前を書くのではなく、あらかじめ裁判官の名前が印刷された用紙を使います[1]。
投票の2パターン
投票の仕方は、以下の2パターンしかありません。

- 辞めさせたい場合:その裁判官の名前の上の欄に「×」を記入する
- 問題ないと思う場合:何も書かずに(空白のまま)投票箱に入れる
「○」や他の記号を書くとどうなる?
ここで絶対に注意しなければならないルールがあります。
それは、「×」以外の事項を記載した投票は『無効』になってしまうということです[1]。
「この裁判官は素晴らしいから応援したい!」と思って「○」をつけたり、「頑張れ」とメッセージを書いたりすると、その用紙自体が無効票として扱われてしまいます。

えっ!
応援のつもりで『○』を書いたら無効になっちゃうの!?
それは知らなかったよ…

そうなんです。
国民審査はあくまで『解職(クビ)にするかどうか』を決める制度なので、辞めさせたい意思がある場合のみ『×』をつけるルールになっているんです[2]
罷免(ひめん)の条件と過去の結果
では、どれくらいの「×」がつくと、裁判官は辞めさせられてしまうのでしょうか?
罷免(クビ)になる条件
裁判官が罷免される条件は、以下の通りです[1]。
- 「×」が記載された票(罷免を可とする票)が、何も記載されていない票(罷免を可としない票)の票数を超えた場合
つまり、「×」の数が過半数を超えれば、その裁判官は罷免されます。
(※ただし、投票総数が有権者数の100分の1に達しない場合は除きます)
過去に罷免された裁判官はいる?
1949年(昭和24年)の第1回国民審査から現在に至るまで、実際に罷免された最高裁判所裁判官は一人もいません。
過去の審査結果を見ると、ほとんどの裁判官に対する「×」の割合は数%〜10%程度にとどまっています。最も罷免に近づいたケースでも、「×」の割合は過半数には遠く及びませんでした。

誰もクビになったことがないなら、国民審査って意味がないんじゃないの?

そんなことはありません!
『国民が常に監視している』という事実そのものが、裁判官に緊張感を与え、公正な裁判を促す強力なストッパーになっているんです。
それに、過去の判決に対する国民の『不満の度合い』を数字で突きつける効果もありますよ。
裁判官の情報を知るには?
「×」をつけるかどうか判断するためには、その裁判官が過去にどのような判決を下したのかを知る必要があります。
審査の対象となる裁判官の情報は、以下の方法で確認できます[2]。
- 審査公報:選挙の際に各家庭に配られる公報に、裁判官の経歴や関与した主要な裁判の判決(賛成・反対の立場など)が掲載されます。
- 最高裁判所ホームページ:常時、すべての裁判官の略歴や心構え、主要な裁判情報が公開されています。
- ニュースや新聞:選挙前になると、各メディアが対象となる裁判官のアンケート回答や注目判決のまとめを報道します。
投票に行く前に、自分が関心のある社会問題(夫婦別姓、一票の格差、労働問題など)について、各裁判官がどのような判断を下したのかをチェックしておくことをおすすめします。
振り返り図解:国民審査のまとめ
最後に、今回解説した国民審査のポイントを振り返りましょう。

国民審査は、私たちが司法に参加できる唯一の直接的な機会です。
「よくわからないから白紙で出す」のではなく、ぜひ事前に情報をチェックして、自分の意思を「×」か「白紙」かで示してみてください。

なるほど!
これからは白紙で出す前に、公報をしっかり読んで、自分の考えで判断してみるよ。
サトミちゃん、わかりやすい解説をありがとう!

どういたしまして!
私たちの一票が、日本の司法の信頼を支えているんです。
次の選挙のときは、ぜひ国民審査にも注目してみてくださいね!
あわせて読みたい









コメント