要約図解


ニュースでよく「内閣支持率が下がった」とかやってるけど、あれって誰が答えてるんだい?
私のところには一度も電話がかかってきたことがないよ。

そうですよね!
実は、世論調査の電話がかかってくる確率は「宝くじに当たるより少し高い」くらいなんです。
今日は、内閣支持率のカラクリをわかりやすく解説しますね!
1. 内閣支持率の調査方法と「誰が答えているか」
ニュースで発表される内閣支持率。
実は、調査方法によって結果が大きく変わることをご存知ですか?
現在、主流となっているのは「RDD方式(ランダム・デジット・ダイヤリング)」と呼ばれる電話調査です[1]。
簡単に言うと、コンピューターがランダムに電話番号を生成して片っ端からかけていく方法です。
RDD方式の仕組みと特徴
- 無作為抽出:コンピューターがランダムに電話番号を生成して発信します。
- 固定電話と携帯電話:現在は両方にかけますが、固定電話の割合が多い傾向があります。
- 対象者の決定:固定電話の場合、「その世帯で有権者のうち年齢が上から2番目の人」など、偏りを防ぐルールがあります[2]。

なるほど、ランダムにかけてるから私のところに来ないだけなんだね。
でも、固定電話って若い人は持ってないんじゃないかい?

その通りです!
そこが今の世論調査の最大の弱点なんです。
固定電話を持っている世帯は年々減っていて、特に若い世代はほとんど携帯電話だけで生活しています。
「誰が答えているか」の偏り
電話調査には、どうしても回答者の偏りが生じます。
- 高齢者に偏りやすい:固定電話に出るのは高齢者が多く、若者の声が拾われにくい傾向があります[3]。
- 時間に余裕がある人:平日の昼間や休日に電話対応できる人が中心になります。
- 政治に関心がある人:興味がない人は途中で電話を切ってしまうため、関心層の意見が強く反映されます。
つまり、内閣支持率は「国民全員の正確な声」というより、「電話調査に協力してくれた特定の層の声」という側面があるのです。
これは調査機関も認識しており、年齢・性別・地域などで補正(ウェイトバック)を行っていますが、完全に偏りをなくすことは難しいのが現状です。

2. なぜ各社で支持率が違うの?「重ね聞き」の魔法

新聞社によって支持率が違うことがあるよね。
A社は50%なのに、B社は40%だったり。
あれはどうしてなんだい?

それは「質問の仕方」が違うからなんです。
特に「重ね聞き」というテクニックが大きく影響していますよ!
「重ね聞き」とは?
例えば、「あなたは内閣を支持しますか?」と聞かれて、すぐに「はい」「いいえ」と答えられない人がいます。
- 重ね聞きなし(朝日・毎日・NHKなど):答えられない人は「わからない・無回答」として処理されます。
- 重ね聞きあり(読売・日経など):答えられない人に対し、「強いて言えば、どちらですか?」ともう一度聞きます[4]。
この「重ね聞き」をすると、あいまいな層が「まあ、強いて言えば支持するかな…」と答えるため、読売や日経の支持率は他社より5〜10%ほど高く出る傾向があります[5]。

なるほど!
同じ質問でも聞き方で変わるんだね。
それは知らなかったよ。

そうなんです!
だから「A社は50%、B社は40%」という比較は意味がなくて、「同じ会社の調査で先月から上がったか下がったか」を見ることが大切なんです。
調査手法の違い(電話 vs Web)
また、調査手法そのものの違いも影響します。
- オペレーターによる聞き取り:対人だと「支持しない」とハッキリ言いにくい心理(遠慮や虚栄心)が働きます。
- 自動音声やWeb調査:機械相手なので、率直に「支持しない」と答えやすくなります[4]。
各社の数字を単純に比較するのではなく、「同じ会社の調査で、先月からどう変化したか(点ではなく線で見る)」ことが重要です。
3. 「生活が苦しいのになぜ高い?」消極的支持の増加

物価も上がって生活が苦しいのに、内閣支持率が意外と高い時があるよね。
あれは「おかしい」って思っちゃうんだけど。

その疑問、すごくよくわかります!
実は最近、「積極的に支持しているわけじゃないけど、消極的に支持している」という人が増えているんです。
消極的支持とは?
「内閣を支持する理由」のアンケート結果を見ると、最も多い回答は「他よりよさそうだから」です[6]。
- 政策が素晴らしいから(積極的支持)
- 首相の人柄が良いから(積極的支持)
- 他の内閣(野党)よりはマシだから(消極的支持)
つまり、「今の生活に満足しているから支持率が高い」のではなく、「不満はあるけど、政権交代してさらに悪くなるよりは今のままが良い」という消極的な理由で支持率が支えられているケースが多いのです。
歴代の支持率の動き
参考までに、歴代内閣の支持率の高低を見てみましょう。
- 歴代最高:小泉純一郎内閣(2001年発足時)→ 約87%(郵政民営化への期待感)
- 歴代最低:菅直人内閣(2011年)→ 約8%(東日本大震災の対応への批判)
- 近年の傾向:岸田内閣は統一教会問題・増税論議で急落し、最終的に20%台まで低下

87%から8%まで変わるんだね。
それだけ国民の期待と失望が大きいということか。

そうですね!
支持率は「期待値」でもあるんです。
だから就任直後は高く、時間が経つと下がる傾向があります。
これを「ご祝儀相場」と呼ぶこともありますよ。
振り返り図解

まとめ:内閣支持率の正しい見方

なるほど!
数字の裏にはいろんなカラクリがあるんだね。
これからはニュースの見方が変わりそうだよ。

はい!
内閣支持率を見るときは、以下の3つのポイントを意識してみてくださいね。
- 誰が答えているか:電話調査は高齢者や関心層に偏りやすいことを理解する。
- 点ではなく線で見る:各社の数字の違いより、「先月から上がったか下がったか」のトレンドに注目する。
- 支持の「質」を見る:数字が高くても、「他よりマシ」という消極的支持が多い場合は盤石とは言えない。
内閣支持率は完璧な指標ではありませんが、政治の風向きを知る重要なバロメーターです。
数字の背景にある「仕組み」を知ることで、政治ニュースがもっと面白くなりますよ!
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参考文献
[1] 朝日新聞:内閣支持率は「操作可能」? SNSで世論調査に疑問の声
[3] 菅原琢:マス・メディアの世論調査は若者の政治意識を拾えていない?
[4] グルーブワークス:新聞社などが発表する内閣支持率に差があるのはなぜ?

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