

くるパパ、最近のニュースで「世襲議員」って言葉、よく聞かない?

聞くねぇ。
親が政治家だと、子どもも政治家になりやすいってやつだろ?
「また世襲か」なんて批判されてるのをよく見るけど、実際どうなんだい?

実は、日本の国会議員は世界的に見ても世襲の割合がすごく高いの。
今回は、なぜ日本に世襲議員が多いのか、そのメリット・デメリット、そして各党の廃止に向けた取り組みまで、図解でわかりやすく解説するね!
要約図解:この記事の3つのポイント

1. 世襲議員とは?(定義と割合)
世襲議員とは、親や親族が国会議員や地方議員などの政治家であり、その地盤(選挙区)を引き継いで政治家になった人のことです。
日本の国会議員における世襲議員の割合は、世界的に見ても非常に高い水準にあります。
日本の世襲議員の割合データ
| 項目 | 割合・人数 | 備考 |
|---|---|---|
| 国会議員全体 | 約27〜28% | 衆参両院の平均的な割合 [1] |
| 自民党所属議員 | 約40%近く | 自民党に限定するとさらに高くなる [2] |
| 自民党の歴代首相 | 10人中8人 | 1994年以降の歴代首相10人のうち8人が世襲 [3] |

自民党の首相なんて、ほとんどが世襲じゃないか!
菅義偉さんくらいしか、世襲じゃない首相は思い浮かばないよ。

2. なぜ日本には世襲議員が多いのか?3つの理由

なぜ、日本ではこれほどまでに世襲議員が多く誕生するのでしょうか?その最大の理由は、選挙を圧倒的に有利に進められる「3バン」と「税制優遇」にあります。
理由①:強力な「3バン」を引き継げるから
選挙に勝つために必要不可欠と言われるのが、以下の「3バン」です [5]。
- 地盤(後援会組織):長年かけて築き上げた強固な支援者のネットワーク
- 看板(知名度):「〇〇先生の息子さん」というだけで、最初から名前が知られている
- カバン(資金力):親の代から支援してくれている企業や団体からの献金ルート
世襲候補は、これらをゼロから作る必要がなく、そのまま引き継ぐことができるため、新人候補に比べて圧倒的に有利になります。
理由②:政治資金を「非課税」で引き継げるから
現行の制度では、親の政治団体を子どもが引き継ぐ(名義変更する)場合、相続税や贈与税が一切かかりません [6]。
一般の人が親から財産を受け継ぐ場合は多額の税金がかかりますが、政治資金という形であれば、数千万円、数億円という資金を非課税でそのまま選挙資金として使えるのです。これが「世襲優遇」の最たるものだと批判されています。
理由③:小選挙区制の影響
1994年に導入された「小選挙区制」は、1つの選挙区から1人しか当選できない制度です。そのため、政党は「確実に勝てる候補者」を立てたがります。結果として、すでに知名度と組織力(3バン)を持っている世襲候補が公認されやすくなる傾向があります。
3. 世襲議員の3つのメリット

批判されがちな世襲議員ですが、有権者にとってメリットがないわけではありません。
- 幼い頃から政治の現場(帝王学)を学んでいる
親の背中を見て育つため、政治の仕組みや人間関係の構築、政策の進め方などを自然と身につけています。即戦力として活躍できる素地があると言えます。 - 地元の事情や課題に精通している
親の代から地元に密着しているため、その地域の歴史や抱えている課題、産業の状況などを深く理解しており、的確な政策を打ち出しやすい面があります。 - 当選回数を重ねやすく、影響力を持ちやすい
地盤が強固なため選挙に強く、若くして当選し、回数を重ねることができます。日本の政治(特に自民党)では当選回数が役職に直結するため、早くから大臣などの要職に就き、地元に利益をもたらす力を持つことができます。
4. 世襲議員の3つのデメリット

一方で、世襲議員の多さが日本の政治を停滞させているという指摘も根強くあります。
- 多様な人材が政治に参加する機会を奪う
世襲候補が「3バン」で圧倒的に有利なため、優秀な志を持った一般の人が立候補しても勝つのが難しくなります。結果として、政治家が特定の家系に偏り、多様な民意が反映されにくくなります。 - 世間一般の感覚(庶民感覚)とのズレ
幼い頃から恵まれた環境で育ち、就職活動や厳しい経済状況を経験していない世襲議員も少なくありません。そのため、物価高や非正規雇用の問題など、庶民の痛みに寄り添った政策が後回しになる危険性があります。 - 既得権益の固定化
親の代からの支援企業や団体との関係をそのまま引き継ぐため、しがらみにとらわれやすく、思い切った改革や古い制度の打破が難しくなります。
5. 世界の世襲議員割合ランキング
日本の世襲議員の多さは、世界的に見ても異常なレベルです。米国の研究者ダニエル・スミス氏の調査による、世界の国会議員における世襲割合ランキングを見てみましょう [1]。
| 順位 | 国名 | 世襲議員の割合 |
|---|---|---|
| 1位 | タイ | 約40% |
| 2位 | フィリピン | 約40% |
| 3位 | アイスランド | 約30% |
| 4位 | 日本 | 約27〜28% |

G7(主要7カ国)などの先進国では、国会議員の中での世襲議員の割合は1割以下がほとんどなの [7]。
日本がいかに突出しているかがわかるよね。

先進国の中で日本だけがダントツで世襲が多いのか…。
これじゃあ、新しい風が吹かないわけだね。
6. 世襲議員の廃止・制限はできるのか?各党の取り組み
こうした現状に対し、世襲を制限すべきだという声が高まっています。各政党はどのような対応をとっているのでしょうか。
立憲民主党・日本維新の会:世襲制限に前向き
野党である立憲民主党や日本維新の会は、世襲制限に積極的です。
旧:立憲民主党の野田佳彦代表は「政界への人材供給ルートが固定化されている。風穴を開ける必要がある」と強調し、国会議員の政治資金を親族が引き継ぐことを禁止する世襲制限を公約に掲げています [3]。
日本維新の会も「政治の硬直化を招いている」と指摘し、制限案を主張しています。
自由民主党:世襲制限に後ろ向き
一方、世襲議員を多く抱える自民党は、制限の議論に後ろ向きです。
石破茂首相は、自身も世襲議員であり、就任前は世襲制限に言及していましたが、首相就任後は「自民党も公募、予備選挙等の積極的な活用を通じて有為な人材を広く募集、発掘するよう努めている」と述べるにとどめ、直接的な制限には踏み込んでいません [4]。
最大の壁は、憲法が保障する「職業選択の自由」や「法の下の平等」です。「親が政治家だからといって、子どもが立候補する権利を奪うのは憲法違反ではないか」という議論があり、法律で完全に立候補を禁止することは難しいとされています。
そのため、現実的な解決策としては、「政治資金(カバン)の非課税での引き継ぎを禁止する」など、資金面での優遇をなくす方向での議論が進められています。
振り返り図解:世襲議員問題のまとめ


くるパパ、世襲議員の問題点、わかったかな?

よくわかったよ。
親の背中を見て育つメリットもあるけど、やっぱり「3バン」や「非課税の政治資金」をそのまま引き継げるのは、一般の候補者と比べて不公平すぎるね。

そうだね。
法律で立候補そのものを禁止するのは難しくても、資金の引き継ぎルールを見直すなど、誰もが平等に政治に参加できる仕組みづくりが必要だね。

次回は、選挙の仕組みシリーズの続きとして「参議院選挙の仕組み」について解説するよ!
お楽しみに!
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参考文献
- [1] 世襲政治家、海外の状況は? フィリピンから考える政治のあり方(朝日新聞)
- [2] 主張<7> 日本の国会議員の世襲率は世界で何番目か知っていますか?(Kiyoshi Kurokawa.com)
- [3] 自民首相、10人中8人が世襲 立憲・維新が「カバン」継承に制限案(朝日新聞)
- [4] 世襲議員が多い自民は制限に後ろ向き 前向きなのは立憲民主と維新(東京新聞)
- [5] 政治資金、非課税の「特権」認識薄く 世襲優遇に直結(日本経済新聞)
- [6] 国会議員の世襲制限 親の「かばん」継げぬよう(毎日新聞)
- [7] なぜ、日本だけ、世界でも突出して世襲議員が多いのか?(ダイヤモンド・オンライン)


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