2023年4月20日 参議院 外交防衛委員会
質問内容
・普天間飛行場の返還について
・世界における脱米ドルの動きと分析について
・BRICSに参加を希望する国、BRICSとの協力関係を希望する国が増加していることへの評価について
・BRICS、上海協力機構に加盟しようとする国が、親米や新西側の国にも少なくないことへの分析について
・マクロン仏大統領のような考え方が欧州の指導者でどの程度共有されているか、対中関係における西側の結束への評価について
・アメリカとカナダ以外の南北アメリカ大陸諸国のアメリカ離れについての分析について
議事録
第211回国会 参議院 外交防衛委員会 第9号 令和5年4月20日
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。
一九九六年、九五年ですね、九月の少女暴行事件に対して沖縄県民の怒りが爆発し、八万五千人が結集した一〇・二一県民総決起大会が開かれました。翌十一月には、沖縄に関する特別行動委員会、SACOが日米両政府によって設置されています。その設置から五か月後、九六年四月十二日、橋本総理とモンデール駐日大使により、普天間飛行場の五年ないし七年以内の全面返還の合意が発表されました。それがその年の十二月にSACOの最終報告として取りまとめられました。
七年というのは二〇〇三年ですが、その翌年の二〇〇四年、普天間飛行場に隣接する沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落しました。二〇〇三年に全面返還されていれば起きなかった事故です。
最終報告から十年後の二〇〇六年には、普天間飛行場を二〇一四年に返還するとした米軍再編ロードマップが合意されました。ところが、返還するとした二〇一四年二月に、安倍総理が、普天間飛行場の五年以内、つまり二〇一九年の運用停止を約束しました。しかし、これもほごにされ、現在まで全て実現していません。期限を付けては延びて、期限を付けては延びているわけです。
九六年から二十七年間、沖縄県民は普天間の危険性にさらされ続けています。危険性の除去どころか、二〇一九年以降、沖縄県内の米軍と自衛隊を合わせた基地面積は増加しています。
今般の自衛隊機墜落事故、これはもう非常にその隊員の安否、そして亡くなられた方の冥福を祈るわけですけれども、沖縄県民はやはり墜落の危険といういろんな危険性、それにさらされていると言っていいと思います。
九六年四月、この日米両政府の普天間飛行場の全面返還合意に沖縄県民は本当に大喜びしたんです。しかし、その約束は果たされず、県民は大変失望しました。他国との約束を破れば外交問題となり、信頼を失ってしまいます。信義則というのは法律でつくっているわけではなくて、これは法の支配です。米国追従の日本が他国から信頼されるだろうかと懸念しています。
そこで、前回に続き、米国追従にはリスクがあるということを踏まえ、国際情勢の分析について伺います。
今月十一日に、米ドルの基軸通貨としての地位、あるいはペトロダラー体制を突き崩そうという動きについて、サウジアラビアを例にお話ししました。引き続き、世界の脱ドルの動きについて質問します。
お配りした資料は、前回紹介しました筑波大学名誉教授の遠藤さんが四月六日にインターネットに公開された記事です。遠藤さんは、中国共産党に対しネガティブな見方をされる方です。ちなみに、遠藤さんは、安倍総理の事件の後、昨年の月刊誌Hanadaで本来だと安倍元総理と対談することになっていたということを明らかにしています。
資料の図表の三を御覧ください。
中国、ブラジル、インド、ASEANなど様々な国に脱ドルの動きが見られます。三月二十八日のASEANの部分では、図表三ではドルなどと書かれていますが、詳しく言いますと、米ドルのほか、ユーロ、円、イギリス・ポンドの依存度を下げるということが話し合われたわけです。
三月三十日のロシアの下院副議長の部分が分かりにくいと思いますので少し説明しますと、その発言は、BRICSがダーバンで開催される組織のサミットで発表される新通貨の開発に取り組んでいるというものでした。新通貨ができるということは、これ注視しなければならないと思います。
日本の新聞、テレビは、英米系の情報源に頼るためか、リベラル系と言われるものも含め、英米に都合の悪い情報は余り載りません。英米でもいろんな意見があるわけですが、日本の新聞では、あるいはテレビでは、バイデン政権に都合の悪い情報は余り流れてきません。
ドルの動きにしても、例えば、トランプ前大統領は、今月初め、我々の通貨が暴落し、遅かれ早かれ世界標準でなくなることは、率直に言ってこの二百年における我々の最大の敗北になるでしょう、我々をグレートパワーでなくならせるような、これほどまでに大きな敗北はありませんでしたと述べています。ですから、米ドルの崩壊の可能性は相当高いと考えているんだと思います。
世界でもアメリカ国内でも、全然違った物の見方、考え方があります。前々回、衆議院予算委員会での川上参考人の、本当に日本は大丈夫か、アメリカの戦略に乗って、いや、バイデン政権の戦略に乗って政策は展開しているが、もしトランプが現れた場合どうするんだ、真逆になるんじゃないか、我が国ははしごを外された段階でどうするんだというふうな声が実は民主党政権の研究員から上がっているとの発言を紹介しました。
今お話ししている脱ドルの動きは、結果によってはアメリカの政権交代よりはるかに大きな影響を及ぼすものです。米国内では、CNNやFOXもこの件を取り上げ、日本語に翻訳されているものがSNSで流されています。今、日本の主流の議論が世界からもアメリカからも懸け離れた余り単純なものになっている、こんな議論の状況は危ないのではないかと私は思っています。
世界におけるいろんな物の見方、考え方を紹介しますけれども、資料の図表一には、二ページ目ですね、サウジとイランの和解後の中東における和解外交雪崩現象が書かれています。これらを見ても、中東の親米産油国といった見方は見直すべきであることが分かると思います。図表一の下の方、二行、下の二行ですけれども、あるいは最後のページの遠藤さんの解説も示唆があると思います。
ちなみに、この中東でも対ロ制裁に参加した国はありません。親米のイスラエルすら対ロ制裁には加わっていません。
また、その次のページの図表の二ですが、各国、地域、組織の要人が訪中ラッシュの中身が書かれています。四月二日には林外相も訪中をされておりますけれども、非常に重要なことだと思います。前回、この委員会では、対米貿易と対中貿易、いずれが多いのか、国ごとに塗り分けた図をお配りしましたが、世界における中国の地位の高さが想像できると思います。図表三、これは訪問者のことですけれども、そのほかですけれども、国の問題ですね。
図表三の動きの後の動きですけれども、マクロン大統領の訪中があります。先日の訪中後、ドル依存を減らす必要があると述べたことが重要です。これは、平木委員もちょっと言及しましたけれども、G7の中でフランスのマクロン大統領が言ったことです。
そこで、脱ドル化について質問します。
政府は、世界における脱米ドルの動きはどこまで広がっていると分析されていますか。中ロにとどまらず、BRICSにもとどまらず、相当拡大しているのではありませんか。外務省に伺います。
○政府参考人(竹谷厚君) お答え申し上げます。
決済通貨に関しまして国際的に様々な動きがあるということは私ども承知をしております。一般的に申し上げまして、特定の通貨が広く利用されていくためには、流動性、安全性の観点から通貨としての高い利便性を有する必要がございます。この点、米ドルは、こうした通貨としての高い利便性を有することから、引き続き国際的に広く利用され、いわゆる基軸通貨とされていると認識しております。
委員から脱米ドルの動きという御指摘ございましたが、仮に米ドルに代わる基軸通貨や代替資産が出現するとすれば、こうした流動性、安全性の観点から米ドルと同様の利便性を有するかという点を踏まえて見ていく必要があるというふうに承知をしております。
いずれにいたしましても、日本としては、国際経済や金融システムの安定などが重要であると考えており、決済通貨をめぐる各国の動向、これが国際的な資金や物の流れに及ぼす影響なども含めまして引き続き情勢を注視してまいりたいと考えております。
○高良鉄美君 情勢を注視するということですけれども、もっと注視をしないといけないこの脱ドル化の動き、BRICSについても脱ドル化を含めて重要な出来事が多いですが、これらも日本の新聞、テレビでは余り報道されていません。
購買力平価、平たい価格ですね、購買力平価GDPというものがあります。各国の物価水準の差を修正し、より実質的な比較ができるものです。
先日、購買力平価GDPにおいてBRICSがG7を抜いたとインターネットで話題になっていました。私が知る限り、日本のマスコミで当初これを取り上げたものはなかったと思います。確認のため、私のところでIMFのホームページの各国の購買力平価GDPのページにアクセスし、そこにある各国のデータを基に計算してみました。
四月七日午後アクセスした二〇二三年のデータで、G7は、カナダ一・三七、フランス二・二四、ドイツ三・一九、イタリア一・八二、日本三・七四、イギリス二・二八、アメリカ一五・二三で、合計二九・八七です。七か国ですね。BRICSは、ブラジル二・三、ロシア二・七四、インド七・四五、中国一八・九一、南アフリカ〇・五八で、五か国で合計三一・九八となりました。インターネットで出回っているものと若干数字が異なりましたが、G7とBRICSがそれぞれ世界の約三割を占め、BRICSのそれの方がやや多いという点では出回っている情報と同じでした。経済成長率はG7よりもBRICSの方が高いので、今後は差が開く一方だと思います。
BRICSは参加国自体にも拡大の動きがあります。昨年はイランとアルゼンチンが加盟申請をしました。昨年六月のBRICS拡大会議には、イランとアルゼンチンのほか、アルジェリア、エジプト、インドネシア、カザフスタン、セネガル、ウズベキスタン、カンボジア、エチオピア、フィジー、マレーシア、タイが参加したそうです。
また、南アフリカの外務大臣が先月、サウジアラビア、UAE、エジプト、アルゼンチン、メキシコ、ナイジェリアなどがBRICS同盟への加盟を希望していると、そういった旨の発言をされたと承知しています。そのほかにも、BRICS加盟を望む国についてはいろんな情報があります。
林大臣に伺いますが、BRICSに参加を希望する国、少なくともBRICSとの協力関係を希望する国が多数存在するということをどう評価していますか。今後、世界の秩序と我が国の国益に照らしながら説明していただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) この第三国間の動きにつきまして日本政府としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、昨年、アルゼンチン、イラン及びサウジアラビアがBRICSへの加盟を要請し、一方で、BRICSにおいては新規加盟の手続、基準等の明確化のための議論が行われているということを承知しております。
その上で申し上げますと、現在、世界では、現実問題として様々な特色を持った国々の力、これが相対的に増してきているところでございますが、一方で、ロシアによるウクライナ侵略が国際秩序の根幹を揺るがす中で、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化することの重要性、これが一層高まっていると考えております。
国家間の紛争が領域をめぐるものであれ、経済的利益をめぐるものであれ、力ではなく法やルールによって解決をされる、この秩序によって国際社会に公平性、透明性、予見可能性、これが保障されるのでありまして、これは価値観の相違を超えた全ての国にとっての平和と繁栄の基盤であり、日本の国益でもあると認識しております。
こうした観点から、我が国としては、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序、これを維持強化すべく、多様性と包摂性を重視するきめ細やかな外交を通じて、いわゆるグローバルサウスと呼ばれる国々を含む国際社会の幅広い支持と関与を得るための外交を引き続き推進してまいりたいと思っております。
○高良鉄美君 やはり法の支配ということを強調されるのであれば、是非とも法の支配を広げていくための努力をそれらの国々に対して、今、もしかするとBRICSとか今明確化をするというような話がありましたけれども、そこは、そういうことまで十分に知っていないかもしれないです。あるいは、そういうことに慣れていないといいますかね。
是非、法整備支援も含めて、日本が法の支配を、英米とその間に入ると。G7の中での唯一のアジアの国、やっぱりこういった役割が私はあると思います。是非ともそういう努力も併せていただきたいと思います。
次に、BRICS、あるいは先日言及した上海協力機構に加盟しようとする国には、民主主義国家や、これまで親米あるいは親日側と言われていた国も多く含まれています。このような国々が中国やロシアの加盟する組織に加わろうとする理由をどういうふうに分析していますでしょうか、大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) この第三国間の動きについて日本政府としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、先ほどお触れになっていただきましたBRICSに加えて、この上海協力機構においても、イランの加盟に向けた動き、またサウジアラビアの対話パートナー入りといった拡大の動きがあるというふうに承知をしております。
まさに今委員から御指摘がありましたけれども、このロシアによるウクライナ侵略を受けて厳しさを増す国際社会において、先ほど申し上げましたこの法の支配というものをしっかりと確立していく、そのためにも、日本らしい多様性と包摂性を重視するきめ細やかな外交、各国との間で展開をしてまいりたいというふうに思っております。
○高良鉄美君 今大臣のおっしゃった多様性と包摂性、本当に日本らしいということ強調されましたので、それを私は期待しております。
先日のマクロン、先ほどお話がありました、平木委員からありましたマクロン大統領の訪中の際の発言について、欧州ではマクロン発言に好意的な意見もあると聞いています。欧州理事会議長やフランス財務相、スペイン経済相の発言もあります。
これは日本の新聞にも載っていたので、御存じの方も多いと思います。ヨーロッパの戦略的自律性、ヨーロッパが三つ目の超大国になる。ヨーロッパについて、大きなリスクは、我々のものでない危機に引き込まれ、戦略的自律性の構築を妨げられることだ。矛盾は、我々が自身のことをただのアメリカの追従者と信じることだ。台湾危機を加速させることにヨーロッパ人の利益はない。ヨーロッパは米ドルへの依存を減らすべきだといったことが語られています。
マクロン大統領の発想としては、ヨーロッパはアメリカの追従者となるのではなく、米中と並び立つ極となろうということで、しかも、それについて中国の支持を受けたとも取れます。台湾をめぐる米中対立からヨーロッパは距離を置くべきとも考えているようです。このマクロン発言に対する欧州理事会議長の発言ですが、マクロン大統領の発言に好意的なヨーロッパの指導者はかなりいると思われますと言っているわけですね。
委員の皆さん、この台湾有事に仮に日米が介入したとして、ヨーロッパが助けてくれる、あるいは支持をしてくれると思われるでしょうか。マクロン大統領のような考え方は、ヨーロッパの指導者の中でどの程度共有されていると思われるでしょうか。西側の結束は、特に対中関係においてはかなり危ういと言えるのではないでしょうか。外務省に伺います。
○政府参考人(實生泰介君) お答えいたします。
議員御指摘の台湾海峡の平和と安定の問題です。これは、我が国の安全保障はもとより、国際社会全体の安全と繁栄にとっても不可欠な要素であると認識しております。我が国の従来からの一貫した立場は、台湾をめぐる問題が対話により平和的に解決されることを期待するというものであり、この点、これまでも米国やG7との間で台湾海峡の平和と安定の重要性について一致してきているところでございます。
今般ございましたG7の外相会合においても、改めてG7の外相間で、国際社会の安全と繁栄にとって不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認するとともに、両岸関係の平和的解決を求めるということで完全に一致することができたというふうに考えてございます。
付け加えて申し上げれば、先般、林大臣が訪中した際にも、秦剛国務委員兼外交部長に対しても台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調したところでございます。
台湾海峡の平和と安定を確保するため、我が国としては、こうした立場を中国側に首脳レベルを含め直接しっかり伝えるとともに、米国を始めとする同盟国、同志国と緊密に連携しながら、各国共通の立場として明確に発信していくことが重要であり、今後ともこのような外交努力を続けていく所存でございます。
○高良鉄美君 やはり、今の日本の状況、特に南西諸島を含めたミサイル配備、これ中国がどういうふうに見ているかということは、これから先いろいろ聞きますけれども、次回以降ですね、日本がこう思っているではなくて、相手がどう思っているかということ、とても大事だと思います。
安心を与えるというためには、対話はもちろん必要ですし、それ以上に、日本の意思がどうなんだということは、やっぱり今回、林大臣が訪中されたということは僕は大きいと思いますし、今後もこのような対話を、あるいは防衛大臣も一緒に、2プラス2じゃありませんけれども、中国との間を取り持つということは、これは日本らしい外交だと私は思います。是非とも、そういう形も実現していただきたいなと思います。
今度は、アフリカと、失礼しました、アメリカとカナダ以外の南北アメリカ大陸諸国についてお伺いします。
これらの国で対ロ制裁に加わっている国はありません。アメリカとカナダだけです。これらの国のアメリカからの距離について印象に残るのは、昨年六月、ロサンゼルスで開催された米州首脳会議に三十五か国中二十三か国しか首脳が参加しなかったことです。
昨年五月初旬、民主主義が欠如しているとして、米政権は、キューバ、ベネズエラ、ニカラグアをサミットに招待しない方針を示しました。これに対して、メキシコのロペス・オブラドール大統領は、自身の参加と引換えに、中南米全ての国を招待することを米国に要求しました。これが米側に受け入れられなかったため、メキシコ大統領は米州サミットに欠席。これに多くの国が同調し、先ほど述べた結果になったわけです。かつて米国の裏庭と言われた地域ですが、この認識も変わったと思います。
ロペス・オブラドール大統領の演説に日本語字幕を付けたものがありました。今年三月四日にツイッター上で公開された大統領の演説の日本語字幕を、ここでそのまま読み上げます。
この機会に、米国政府の国務省に反論したいと思います。米国務省が何をしていて、どういった悪い習慣を持っているかについて。米国務省は、自分たちと関係ない事柄に常に介入しています。これは、常に対等な立場、平等を語るバイデン大統領の言葉とは全く逆の姿勢です。二世紀前のモンロー主義は形式上捨てていないのですが、自分たちが世界の政府であるかのように考え、振る舞っています。
米国務省のブリンケン氏に対して何が言いたいかといいますと、現在はメキシコの方がアメリカよりも民主主義であるということです。私たちメキシコの問題に干渉し、押し付けがましく行動するのではなく、ペルーで起きている問題に対応してください、もしそういった干渉方針を続けたいのであればということです。
ペルーでは、米国大使がクーデター計画のアドバイザーであり、民主的に選ばれた大統領を不当に解任して、その国の民主主義と自由を踏みにじっています。大統領を投獄して、バイデン大統領の言うことに従うように要求しています。こういった問題は国務省だけの問題ではなく、米政府とそのエリートたちの本性、少なくとも習性であり、何世紀にもわたって続いています。
なぜ私がここメキシコの方がアメリカより民主主義であるかというと、メキシコでは国民が支配しているのに対して、アメリカでは、オリガルヒ、寡頭制が支配しているからです。それだけです。
私たちの見解、反論を明確にしておきましたということですね。日本の首相が仮にこんなことを言ったらどうなるか、想像すると、とても勇気のある発言だと思います。しかし、別の見方をすると、アメリカの南隣の国の大統領がこのような発言をする世界情勢になっているとも言えます。
そこで、外務省に伺いますが、アメリカとカナダ以外の南北アメリカ大陸諸国のアメリカ離れについて、外務省がどのように分析されているかを伺います。
○政府参考人(松尾裕敬君) 第三国間の関係について日本政府としてコメントをすることは差し控えさせていただきたいと考えますが、その上で申し上げると、例えば委員御指摘の昨年六月の米州サミットにおいては、閣僚級も含めれば米州三十五か国中三十一か国が参加し、保健やデジタルトランスフォーメーション、気候変動などの分野で、米国及び中南米諸国を含む米州諸国の行動計画が発表されるとともに、食料安全保障や保健などの分野における米国による中南米地域への支援策などが発表されたと承知しております。また、中南米諸国と米国との間では様々な協力が進んでおり、要人往来も活発であると承知しております。
いずれにいたしましても、我が国としては、委員御指摘の中南米情勢を引き続き注視しつつ、基本的価値や原則を共有する米国及び中南米諸国とともに様々な国際課題について緊密に連携するべく、今後とも積極的に対中南米外交を推進してまいりたいと考えております。
○高良鉄美君 是非とも注視していただきたいと思います。カナダとアメリカはG7のメンバーですけれども、残りはそうじゃないということも含めて、注視を続けていただきたいと思います。
時間が来ましたので、終わります。