75歳になると、医療機関や薬局の窓口で払う割合は原則1割です。
ただし、所得と同じ世帯にいる後期高齢者の状況によって、2割または3割になります。[1]
「年金がいくらなら2割なのか」だけでは決まりません。
課税所得、年金収入、ほかの所得、世帯にいる後期高齢者の人数を順に使う制度です。[2]

結論:75歳以上の窓口負担は原則1割、条件により2割・3割です
75歳以上の医療費負担をわかりやすく言うと、病院や薬局の窓口で払う割合は1割・2割・3割の3段階です。
75歳以上の人は後期高齢者医療制度の対象になり、負担割合は毎年の所得などをもとに判定されます。[1][2]
最初に3割の現役並み所得者に当てはまるかを見ます。
3割でなければ、次に2割の一定以上所得に当てはまるかを判定します。
どちらにも当てはまらない場合は1割です。[2]

75歳を過ぎたら、みんな1割になるわけではないんだね。

はい。2割と3割の条件があるので、年齢だけでは決まりません。

1割・2割・3割は何で決まる?まず全体像を整理します
| 窓口負担 | 主な区分 | 判定の入口 |
|---|---|---|
| 1割 | 一般I・住民税非課税など | 3割・2割の条件に当てはまらない |
| 2割 | 一定以上所得のある人 | 3割ではなく、課税所得28万円以上と世帯条件に当てはまる |
| 3割 | 現役並み所得者 | 同じ世帯の後期高齢者に、課税所得145万円以上の人がいる |
1割は「収入がない人だけ」の区分ではありません。
3割と2割の条件に当てはまらない人は、住民税が課税されていても1割になる場合があります。[2]
2割と3割は、どちらも所得が関係しますが、同じ基準ではありません。
2割は課税所得28万円を入口に、年金収入とその他の合計所得金額を世帯ごとに見ます。
3割は現役並み所得者の区分で、課税所得145万円が入口です。[2][3]
ここでいう課税所得は、収入から必要経費や所得控除を差し引いた後の金額です。
年金収入は公的年金控除前の金額で、遺族年金と障害年金は含みません。[2]
たとえば、保険診療の医療費が1万円なら、窓口で支払う額は1割で1,000円、2割で2,000円、3割で3,000円です。
この割合は受診ごとの支払いに使われます。
ただし、同じ月にかかった医療費が大きくなると、高額療養費という別の上限が関係します。[4]
同じ世帯に後期高齢者医療の被保険者が2人以上いるときは、2割の判定で200万円ではなく、世帯合計320万円という基準を使います。[2]
ここで比べるのは、世帯の全員の給与を単純に足した額ではありません。
後期高齢者の年金収入と、事業・給与などから必要経費や給与所得控除を引いた後のその他の合計所得金額を合わせます。[2]
2割になる条件:28万円だけでは決まりません
2割になるのは、3割の現役並み所得者ではない人のうち、同じ世帯に課税所得28万円以上の後期高齢者がいて、さらに所得の条件を満たす場合です。[2]
後期高齢者が1人の世帯では、年金収入とその他の合計所得金額の合計が200万円以上かを見ます。
後期高齢者が2人以上いる世帯では、その合計が320万円以上かを見ます。[2]
たとえば、課税所得が28万円以上でも、1人世帯で合計が200万円未満なら2割にはなりません。
反対に、年金収入だけを見て200万円を超えていても、3割の現役並み所得者に当てはまる場合は2割ではなく3割です。[2]
2割の条件は「課税所得28万円以上」と「200万円または320万円以上」の両方を満たす形です。
どちらか一方だけでは2割になりません。[2]
一方で、世帯内に後期高齢者が複数いると、1人だけの所得ではなく、対象となる人たちの合計で見る点が大きな違いです。[2]

3割になる条件:現役並み所得者でも例外があります
同じ世帯の後期高齢者に住民税課税所得145万円以上の人がいると、現役並み所得者として3割が判定の出発点になります。[2]
ただし、3割の条件に見えても、そのまま3割で決まるとは限りません。
昭和20年1月2日以降生まれの人では、世帯の旧ただし書き所得の合計が210万円以下なら、3割の対象外になります。[3]
また、収入額が1人世帯で383万円未満、後期高齢者が2人以上の世帯で合計520万円未満などの条件では、申請または所得情報の確認により1割か2割になる場合があります。[2][3]
この例外で使う「収入額」は、必要経費や控除を引く前の金額です。
2割判定の「年金収入とその他の合計所得金額」とは、見ている数字が違います。[2][3]
3割の判定で基本になるのは、同じ世帯にいる後期高齢者医療の被保険者です。[2]
ただし、1人だけの後期高齢者がいる世帯では、70歳から74歳の人の収入を合わせて520万円未満かを見る例外もあります。[2][3]
課税所得145万円以上という入口と、383万円・520万円という例外の収入額は、同じ言葉ではありません。
数字の種類が異なるため、3割の表示だけで収入条件を一つに決めつけない仕組みです。[2][3]

3割かどうかも、145万円だけを見ればいいわけではないんだね。

そうです。3割の例外と2割の条件は別々なので、資格確認書に書かれた割合が受診時の基準になります。
高額療養費は別の仕組み:1・2・3割のあとに月の上限があります
窓口負担割合は、受診したときに医療費の何割を払うかを決める仕組みです。
高額療養費は、その支払いが1か月で所得区分ごとの上限を超えたとき、超えた分を支給する仕組みです。[4]
外来だけの上限や、入院も含めた世帯ごとの上限があり、窓口負担割合と高額療養費の上限は同じものではありません。[4]
2割負担を導入した直後の外来では、1割から増えた負担を月3,000円までに抑える経過措置がありました。
この経過措置は2025年9月30日で終了しています。[5]
高額療養費は2026年8月から見直され、月ごとの上限に加えて年間上限を設ける仕組みが始まります。[4]

自分の割合を知るときは、3つの数字を分けます
負担割合は資格確認書に記載されます。
判定の背景をたどるときは、住民税納税通知書などの課税所得、年金収入、ほかの所得、後期高齢者の世帯人数を分けて見ます。[2]
毎年8月1日を基準に所得などで負担割合が見直されます。[2]
前年の収入に変化があった人は、同じ医療機関にかかっていても、年度の切り替わりで資格確認書の割合が変わる場合があります。[2]
3割と表示されている場合は、145万円の条件だけで結論を急がず、210万円・383万円・520万円の例外に当てはまるかで変わることがあります。[3]
高額な治療が続く場合は、窓口負担割合とは別に、高額療養費の所得区分と月の上限が関わります。[4]
まとめ
75歳以上の医療費は、原則1割です。
2割は課税所得28万円に加え、世帯ごとの所得条件を満たす場合です。
3割は課税所得145万円以上が入口ですが、所得や収入額による例外があります。[2][3]
負担割合と高額療養費は別の仕組みです。
数字の意味を分けると、資格確認書に書かれた割合と毎月の医療費の上限を混同せずに整理できます。[2][4]
あわせて読みたい
参考文献
[1] 厚生労働省「高齢者医療制度」




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