2020年3月19日 東日本大震災復興特別委員会 委嘱審査質疑
質問内容
・被災者生活再建支援法について
議事録
第201回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第3号 令和2年3月19日
○高良鉄美君 会派沖縄の風の高良鉄美でございます。
今日は、東日本の大震災という、この復興に関連した大枠といいますか、あるいは直接的に関連するような問題も含めた質問をしたいと思います。これが、被災者生活再建支援法ですね、この制度についての質問になります。
早速ですけれども、今から二十五年前の一九九五年、阪神大震災ありました。それから三年たった後、地震等の自然災害の被災者に対する支援制度というのができた。これが被災者生活再建支援法です。そういった被災者の支援については、それまでは個人補償はしないという、これが基本で政府の長い間の原則ということでしたけれども、この法案が成立するという過程においてはいろいろな苦労があって、特に自民党の議員を始め多くの国会議員あるいは各界各層、いろんな労働団体も含めて大変な苦労があったとお聞きしております。そういった意味では、それまでの方針と違って個人補償をしていかなければならないというような側面からして、分水嶺といいますか、あるいはマイルストーンというんでしょうかね、そういった非常に際立ったところがあると思います。
そこで、政府参考人にお聞きしますけれども、被災者生活再建支援法の趣旨、目的、それと経緯を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。
被災者生活再建支援法につきましては、御指摘のように、雲仙岳の噴火や阪神・淡路大震災において、被災自治体が自ら基金をつくって、国がそれに対して地財措置を行って、そして被災者支援を実施してきたと。こうした災害の経験ですとか、また、内閣総理大臣により設置されました平成七年九月の防災問題懇談会の提言、また、災害相互支援基金の創設に関する全国知事会の平成九年七月の決議などを踏まえまして、平成十年五月に議員立法によって被災者生活再建支援法が制定された経緯でございます。
その際の法案の提案理由として、発議者の方から、自然災害により生活基盤に著しい被害を受け、経済的理由等により自立して生活を再建することが困難な被災者に対しまして、その自立した生活の開始を支援するため、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給する制度を創設しようとするものとの趣旨の説明がなされているところでございます。
以上でございます。
○高良鉄美君 ただいまありましたように、この被災者生活再建支援法、この趣旨からすると、やっぱり生活をしっかりとしてもらうということですが、都道府県関わっている、自治体も関わっているということで、国だけではありません。そういった意味合いで、じゃ、このでき上がった経緯によって一つ乗り越えたわけですけれども、個人補償まで行くにはどうしたらいいのかと、そういう側面がありますが。
次に、関連して、お配りした資料がありますけれども、これは共同通信社が行った被災者生活再建支援制度に関する自治体アンケートということで、これ今東京新聞が出ておりますけれども、これは都道府県の関連ですね。四十七都道府県のうち四十五都道府県がこの救済の拡充を求めているということがあります。それから、同じアンケートですけれども、別の新聞の方で取り上げているのは、千六百九十九市区町村のうち、全国ですね、七百五十三の自治体、これ四四%に当たりますが、そういった自治体が拡充を求めているということが分かったわけです。
そうしますと、この損害の程度の、こちらにありますように、まず、同じ損害、「同じ災害 市町村で割れる法適用」というのがあります。こういうふうに損害程度の判定方法を見直して、あるいはこれは災害ですから、豪雨や台風、そういったものも含めて甚大な被害を受けた家屋、こういったものを広く対象にしてほしいと、これを願うのが三五%になっているということと、数字はこれ別のまた分析であるわけですけれども、三五%。それから、同じ災害でも被災規模の違いで自治体ごとに適用を線引きするという、こういった仕組みを見直してほしいと、こういうのも三五%でした。
そういった意味では、先ほどお答えがありましたけれども、この制度ができ上がるために大きな個人補償というところの方まで国が入ったということですね。そういった中で、制度ができ上がったけれども、じゃ、その制度はもうそれでいいのかということではなくて、このように各自治体との関連もありますので、この基金のつくり方、そういった面で、今後この自治体の声をどのように捉えていく、あるいは受け止めて、どういう対処をしていくのかということでお聞きしたいと思います。
○政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。
被災者生活再建支援制度は先ほど申しましたような趣旨で創設がされまして、全都道府県の相互扶助及び国による財政支援により支援金を支給するというものでございます。このような制度の趣旨、また支援の拡充については、国や資金を拠出する都道府県の財政負担等を踏まえつつ、慎重に検討する必要があると考えてございます。
御指摘の線引きというような問題につきましては、例えば今、都道府県が独自に、条例で全壊等の世帯に対し支援法と同様の支援を行えば支給額の二分の一を特別交付税で措置するというような制度を導入している都道府県も多く、既に二十一府県で制度が導入されているところでございます。
また、要望にあります半壊世帯までの対象拡大といった問題につきましては、全国知事会からの御提言もいただいております。全国知事会とただいま協力して、宮城県などの昨年災害が発生した地域などにおきまして、半壊世帯の詳細な実態把握を行ってございます。十二月、二月と第四回、第五回の実務者会議を開催しながら、継続的に意見交換を行っているところでございます。被災世帯の実態等も踏まえながら、今後も全国知事会等としっかり議論してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○高良鉄美君 時間が来ましたので終わりますが、是非、前向きな検討を含めて、真の生活再建に当たっていただきたいと思います。
ありがとうございます。