国会質疑 Interpellation

2024年3月29日 参議院 外交防衛委員会

質問内容

・オスプレイ飛行再開について

・ロシアによるウクライナの侵攻問題について

議事録

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第213回国会 参議院 外交防衛委員会 第8号 令和6年3月29日

○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美でございます。
 議題の二千二十七年国際園芸博覧会政府委員の設置に関する臨時措置法案には賛成ということを表明し、二十六日の委員会に通告して残った質問やオスプレイについて伺います。
 オスプレイ飛行再開について質問します。今日お渡している資料を御覧ください。
 米軍オスプレイを飛行再開したことを受けて、沖縄県名護市、北谷町、北中城村の三議会は、三月議会の最終日に飛行中止を求める抗議決議と意見書を可決しました。名護市と北中城村は全会一致です。
 今月二十六日の本委員会で、木原大臣は、安全確保というものは最優先であるとし、オースティン国防長官とも電話で会談をし、日米間で、防衛大臣間、そしてあらゆるレベルで確認をさせていただいておりますので、引き続き、これは日米で協力し、安全確保に万全を期してまいる、それに尽きると答弁されました。
 くしくもその二十六日です。米国防総省は、沖縄タイムスの取材に対して、米空軍は、屋久島沖で墜落した輸送機と同型機、CV22オスプレイを飛行再開していないと明らかにしました。理由や飛行再開について明らかにしていないようですが、安全確保のためにも詳細に説明を受け、明らかにされるべきではないですか、大臣。
○国務大臣(木原稔君) オスプレイの運用再開に関しましては、三月八日の運用停止措置の解除以降、必要な安全対策を講じた上で、飛行の安全を確認したものから順次飛行を再開することとされています。
 日本国外の米軍オスプレイを含めて、実際の飛行のスケジュールに関しては、個別の部隊の任務、海兵隊は海兵隊、米空軍は空軍という形で、それぞれ個別の部隊の任務、また運用上の所要、各種安全対策の実施状況、所属する基地によってその天候の状況などもございますので、そういったものによるものであり、結果としてそれぞれの部隊や機体により異なっているものと認識をしております。
 オスプレイの運用の再開に当たっては飛行の安全確保が最優先であり、安全確保に万全を尽くしながら、段階的にそれぞれの任務に復帰していくことを日米間で確認をしているところでございます。
○高良鉄美君 これ、国防総省が言っているんですよ、部隊じゃなくて。部隊というのは、しかも空軍全体ですよ、飛んでいないということ。しかも、日本国民である自衛官ですよ、CV22、同じものを使うと。それはやっぱり、この間も聞きましたけれども、やっぱり木原大臣、責任大きいですよ、これ、もしCV22の事故が何も分からないまんま。問い合わせるということをまずやっていただきたいと思います。
 それじゃ次に、ロシアによるウクライナの侵攻問題について伺います。
 一昨年にロシアがウクライナに侵攻した直後に衆参の本会議ではロシアによるウクライナ侵略を非難する決議が行われましたが、私は棄権しました。武力行使に抗議することは当然ですが、決議案でウクライナ国民と共にあるという言い回しで大丈夫なのか、平和憲法を持つ日本は、欧米とは違う立場で独自にロシア、ウクライナに平和的解決を求める積極的な外交を行うべきであると考えたからです。
 二十六日の本委員会で元外務省の東郷和彦さんの発言を引用しましたが、今日は安倍元総理の発言を紹介したいと思います。
 プーチン大統領と何度も会っている安倍元総理は、プーチンは基本的に米国に不信感を持っているんですね、NATOを拡大しないことになっているのにどんどん拡大しているんですね、プーチンとしては、領土的野心ということではなくて、ロシアの防衛、安全の確保という観点から行動を起こしていることと思います、もちろん私は正当化しているわけではありません、しかし、彼がどう思っているかを正確に把握する必要があるだろうと思いますと、こう述べて、重要な発言をされているわけです。
 外務省に伺います。
 ロシアが侵攻した理由は、自国を守るためなのか、領土的野心なのか、どういうふうに分析されているでしょうか。
○政府参考人(池上正喜君) お答え申し上げます。
 ロシアによるウクライナ侵略についての御質問でございました。
 この侵略につきましては、プーチン大統領が平和的解決に向けた各国からの働きかけを聞き入れることなく、ウクライナの非軍事化ですとかあるいは中立化といったような一方的なロシア側の要求を実現すべく、ウクライナに一方的に侵攻しているものというふうに認識しております。
 こういった行動は、ウクライナの主権と領土一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法に深刻に違反するものでありまして、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であると、こういうふうに認識しております。
○高良鉄美君 今、そういう形で立場を、日本の立場ということですけれども。
 これ、先ほど安倍元総理の発言を裏付けるNATO事務総長の発言を紹介したいと思います。ロシアのウクライナ侵攻の理由がNATOの東方拡大であることを認める発言です。一方的かどうかということを、関係するというかどうか判断していただきたいと思いますけれども。NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、昨年九月十一日、以下の発言をされています。
 プーチン大統領は、二〇二一年の秋に、NATOに署名を求める条約草案を送ってきた。NATOの規模がこれ以上大きくならないことを約束する条約草案だ。そして、それがウクライナに侵攻しない前提条件だった。もちろん、我々は署名しなかった。逆のことが起きた。彼は私たちにNATOをこれ以上拡大しないという約束に署名するよう求めたのだ。彼は、一九九七年以降、NATOに加盟した同盟国全ての軍事インフラを撤去するよう求めた。つまり、NATOの半分、中欧と東欧の全てだ。NATOをそれらの同盟国から外し、加盟国にAクラスとBクラス、ある種のメンバーシップの区分を導入すべきだと。我々はそれを拒否した。だから、彼は、自国の国境付近でNATOが増えるのを防ぐために戦争に踏み切った。彼は、全く逆のことを招いている。彼は、NATOの同盟の東部にNATO軍の駐留を増やす結果を招いた。フィンランドがNATOに加盟し、スウェーデンが正式加盟することも知っている。これは北欧諸国にとって良いことだ。フィンランドとスウェーデンにとっても良いことだ。そして、NATOにとっても良いことだ。これは、プーチン大統領がNATOの拡大を阻止するためにヨーロッパの国を侵攻したとき、全く逆の結果を招くことを示している。こう言ったわけですね。
 このように、このNATO事務総長が、ロシアのウクライナ侵攻の理由がNATOの東方拡大であったと認める発言です。
 外務省は的確な分析を行っているとは思いますけれども、岸田政権は、例えばロシアの力による一方的な現状変更などと言って、そのような立場は取っていません。メディアも、ロシアが一方的に侵略したとする立場です。これでは、G7、NATO、アメリカ追従の国以外の国と信頼関係を築くというのは難しい。そして、国益とおっしゃっていますけれども、外交はこの国益に直結するということも考えていただきたいということで、私の質問を終えたいと思います。