お知らせ Information

ガザ地区における人道状況の改善と速やかな停戦の実現を求める決議に関する声明を発表

 本日、参議院本会議 で 行われた「 ガザ地区における人道状況の改善と速やかな停戦の実現を求める決議」に以下の理由で棄権した。

 政府は、ハマス等によるテロ攻撃を断固非難 するとした上で、ガザ地区の人道状況の改善が最優先課題 だと述べてきた。今回の決議も、それを踏襲するものである。

 過去にイスラエルが行ってきたパレスチナへの侵略や、今回のガザでのジェノサイド を批判しない日本 政府は、一方的にイスラエルの側に立つものである。

 日本政府は、ウクライナに武力侵攻したロシアに対しては、世界への働きかけや経済制裁などを行ってきた が、イスラエルのガザ攻撃に対しては批判も働きかけもせず、経済制裁もしていない。これは明らかな二重基準である。

 昨年11 月 11 日、サウジアラビアで開かれたアラブ・イスラム共同臨時サミットで、「パレスチナ人民に対するイスラエルの侵略について」決議が行われた。 この決議には、「国際法の適用における二重基準を非難し、二重基準はイスラエルを国際法から保護し、国際法よりも上位に置く国家の信頼性と多国間行動の信頼性を著しく損ない、適用の選択性を露呈させるものである 」と警告してい る 。

 ロシア非難の決議は、拘束力のない国連総会決議だが、イスラエルについては、国連決議のみならず、安保理決議もある。

 1967年11月に採択された国連安保理決議 242 では 、「ヨルダン川西岸地区、ガザ地区、ゴラン高原などからのイスラエルの撤退を中東における平和に係る原則と宣言する」としている。これは、安保理決議で法的拘束力があるものだ。

 昨年10 月、国連のグテーレス事務総長は、「ハマスによる攻撃は、何もないところで突然起こったのではないことを認識することも重要だ。パレスチナの人々は 56 年間、息苦しい占領下に置かれてきている。彼らの土地は入植地によって着実に食い荒らされ、暴力に悩まされ、経済は抑圧され、人々は家を追われ、取り壊されてきた。自分たちの苦境を政治的に解決したいという希望は消えつつある。しかし、パレスチナの人々の不満は、ハマスによる酷い攻撃を正当化することはできないし、そうした酷い攻撃は、パレスチナの人々に対する集団罰を正当化することもできない。」と述べている。

 日本は承認していないが、パレスチナを国家承認している国は、 2021 年時点で 138 か国に上る 。イスラエルの行動は明白な侵略である。ハマスのいないヨルダン川西岸を侵略するイスラエルの行動は、今回のガザ紛争開始後、さらにエスカレートしている。

 日本政府が行うべきは、二重基準の G7 の一員としてではなく、イスラエルによるパレスチナへのジェノサイドを即刻止めさせるため、本気の行動を行うべきである。

                                     2024年6 月14日
                                     参議院 議員 髙良鉄美